grafオリジナル家具「別注と特注」のこと

photo : Yurika Kono

「特別な存在」

約30年前にオーダーしてつくってもらった現役の帽子

みなさん、こんにちは。
プロダクトデザイン担当の松井です。

朝晩は冷え込みますね。木の葉も色づき晴れの日中は気持ちが良いので、最近の休日はサイクリングに出かけています。美味しいサンドイッチのお店や眺めの良いお気に入りの場所など毎回新しい発見が楽しいのでおすすめです!

突然ですが、みなさんは別注や特注で何かをつくったという経験はありますか。
僕は二十歳くらいの頃、京都の三条あたりを散策していて雰囲気のある老舗の帽子屋さんに目がとまり入ってみることにしました。壁一面の木枠のガラス引き戸のショーケースにはたくさんの帽子がところ狭しと並べられ目移りしたのを記憶しています。

カウンターの脇に「オーダー承ります。」と書かれた立て札があり何故か急に「どんな帽子がつくれますか。」と注文することにしました。表が濃紺で裏が千鳥格子の帽子(ハット型)をつくってもらったのが僕の初の特別注文です。オーダーする時の緊張とわくわくが混ざった感覚、帽子のスタイルと生地を選び、仕上がりを楽しみに待っている時間はいま思うと本当に特別な時間でした。

あれから30年ほどになりますが、今も大切に被っています。帽子ひとつですが当時の思い出も含めて自分のための特別な存在です。

まえおきが長くなりましたが、2回目の今回はgrafのオリジナル家具「Narrative」シリーズの別注と特注ついてお話ししたいと思います。

「grafの別注(カスタムオーダー)について」

別注家具事例 Narrativeシリーズ Two Faces Sofa サイズ変更仕様 (W2200 D850 H620 SH390mm) ブラックチェリー 無垢材
淡路島にオープンした、自然と共に暮らし感性の土壌を耕す宿WORM」さんに納品しました。    撮影:辻本しんこ

まずはじめに、別注(カスタムオーダー)・特注(フルオーダー)家具と聞くと「どんな風に頼めばいいのかよくわからない、高そうだし、素材とか、、」と思われる方が多いと思いますが、「この家具が気に入ったけど、部屋には大きいので幅を少し狭くしたい」、「家を建てるのでここにピッタリと収まる壁一面の収納棚をつくりたい」と、まずはご希望をお聞かせいただければ大丈夫です。

grafではご希望に合わせて、幅、奥行き、高さなどサイズ変更することが可能です。
他にも、収納家具の棚板や抽斗(ひきだし)の増減、木の素材(樹種)や色味の変更など、販売している家具をベースにカスタマイズが可能ですので、家具のことでお悩みの際はご相談ください。
(お問い合わせ:graf shop/06-6459-2100/もしくはこちらのフォームからお問い合せください)

お問い合わせの際は、ご希望と合わせて使用する状況やご自宅のイメージなどもヒアリングさせていただきます。お伺いした変更内容について、使い勝手やバランスやイメージが変わってしまわないかなど確認しながら姿図(略図面)とお見積もりをご提案(アドバイス)させていただきます。

※1:別注対応では別途お見積もりをしてご提案させていただきます。

※2:大きなサイズ変更など、内容によってはお受けできない場合もございますのでご了承ください。

  (その際には特注家具でのご対応が可能な場合もあります。)

別注家具事例 K邸 Narrativeシリーズ Storage Cabinet 建具・抽斗変更仕様 ホワイトオーク突板化粧合板
左/double sliding doorをベースに下段の引き戸を開き戸へ変更 右/sliding doorをベースに抽斗サイズを変更

「暮らしと自分に合わせた特別な家具、特注(フルオーダー)について」

つぎは特注(フルオーダー)について。
特注はゼロからつくる正に自分のための特別なものです。なかなか自分の生活では経験する機会は少ないかも知れませんが、例えば、家を建てる際の注文建築だとイメージしやすいかも知れません。

特注家具の良い点としては、自分に合わせたサイズ、空間にピッタリと収まりスペースを無駄なく使えたり、用途や目的に応じた機能など、当たり前ですが、自分と暮らしに合わせてつくることができるのがいちばんのポイントだと思います。

オーダーの際は、grafのオリジナル家具をベースに「もう少しスッキリさせたい」とご注文された方や、イメージに近い雑誌の切り抜きや、画像などを持って来られた方もいます。別注と同様のヒアリングに加えて、好みの雰囲気、素材や色、暮らし方や家族構成、年齢など色んな条件と照らし合わせながら、使い勝手と心地良さも含めてアドバイスさせていただきます。
結婚、家を建てる、こどもの入学のタイミング、子育てを終えた自分たちのこれからのためになど、人生の節目にオーダーされる方もいます。

※1:特注対応では、まず、お伺いした内容をもとにラフスケッチ(イメージ)を作成しご提案させていただきます。方向性や調整箇所を確認させていただいた後に、図面とお見積もりを作成しご提案させていただきます。

特注家具事例 T邸 キッチン収納家具一式 ナラ突板化粧合板
T様から「身体に合わせたサイズ、見せる収納と隠す収納、使用中の器や家電が収まる使い勝手の良いキッチン収納家具をつくりたい」と、
オーダーしていただきました。

「心地の良い場所づくり」

別注特注に限らず家具の捉え方になってしまいますが、少し視点を変えることでモノとの関わりをもう一度考えていただけるきっかけになればと思い少しお話させていただきます。
生活の中で「食べる」と言うことは、生きるためや健康のために毎日欠かせないことですが、ダイニングテーブルは食事をするためだけではなく、家族や友人と美味しいご飯を囲みながら過ごす大切なコミュニケーションの場所でもあります。

同様に毎日の食事をつくるキッチンも使いやすく居心地の良い場所であると、心も身体も健康で豊かな気持ちになれる気がします。音楽を聴きながらくつろぐためのソファや本を読みながら眠るためのベッドなど、自分のための時間を過ごすことと家具はとても密接で大事な存在ではないかと思います。
家具は一度揃えると長く付き合うことになります。心地よく過ごせる場所として静かに暮らしを見守ってくれるような、特別な存在(家具)となるお手伝いをさせていただきます。

「porch」2020年にgraf studio(大阪・中之島)2Fにオープン
暮らしの実験空間というコンセプトのもと、空間やキッチン、家具や利用者の方が使用できるカトラリーやグラスなどもgrafで設計デザインしています。
家具やキッチン周辺や建具など、ほとんどは大阪北部/豊中市にある自社工場「graf labo」で製作。
「porch」リビングスペース

弊社のshopとkitchen(カフェ)のあるgraf studio 2階は「porch」と言う(上記の写真)宿泊とギャラリーのスペースになっています。オリジナルで製作したキッチンをはじめ、寝室や浴室など住まいに必要な設備が一通り備わっておりご覧いただけますので興味のある方はぜひ遊びに来てください!

特注の収納家具と関係することが多いキッチン周辺の(収納家具とアイランドキッチンの組み合わせなど)リフォームなどもご提案させていただきます。

「自分の暮らしに合わせた家具をつくってみたい」と興味を持っていただいた方はお問い合わせください。お待ちしています!!

それでは、また。

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「家具がどんな風に作られているのか」製作にも興味がある方も、事前にご予約いただければ、弊社のgraf labo(家具製作工場)の見学もしていただけますのでご連絡ください!

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この記事の投稿者

1970年生まれ、大阪府出身。graf取締役、プロダクトデザイナー。 実家が下町の商店街で靴屋を営み、父親は靴職人という環境で育つ。専門学校卒業後、建築設計事務所にて勤務、インテリアショップにてアンティーク家具のリペアを担当した後、1998年に友人たちとgrafの活動をスタート。家具やプロダクトを中心としたデザインを担当している。