graf laboで働く家具職人のふたり(後編)

こんにちは。オンラインショップ運営担当の信川です。
先週に続き今回も、当店の家具を製作している工房、laboで働くふたりの職人へのインタビューをご紹介。今回はプライベートなことなどもご紹介し、ふたりの人柄も感じていただけると嬉しいです。
前編はこちら、「graf laboで働く家具職人のふたり(前編)」からご覧いただけます。

左:泉 佑里香  右:荒木 優花

これからこんなことをしてみたい!という目標などはありますか?

荒木:私はlaboにももうちょっと人が来るようにしたくって。
信川:お客さんにってこと?
荒木:そうです、お客さんに。駐車場もなくて駅も遠いし、立地的にもなかなか難しいのかなとは思うんですけど、やっぱり現場を見てほしいというのがあります。今でも、近所の方がわーっと遊びに来たり、ちょっと木材がほしい人が来たりするんですけど。お風呂を沸かすから薪がほしい、みたいな。笑
そんな感じでラフに見学に来てほしいです。家具を購入された方が引き取りにいらっしゃる時に見学、というのはあるんですけど、これから買おうか検討してる方にも来てほしいんです。

信川:私がもしお客さんだったら、shopには行けるけどlaboにはなかなか行きにくいというか、行っていいのかな?って思ってしまうかも。
荒木:昔laboにもショールームがあったらしくて。そういうふうにお客さまに来ていただきやすい環境を作ったり、もっとワークショップを開催したりしたいですね。

 :私のしたいこと…全然graf関係ないんですけど。…綺麗な海に潜りたい。笑
お姉ちゃんがスキューバをやってるのを最近見て、海めっちゃ綺麗と思ったんです。あとラジオで海のゴミの問題の話とか聞いてて。街のゴミは見えるじゃないですか、見えるからゴミちょっと拾っとこうとかになりやすい、問題にもなりやすいけど、海のゴミって見えへんから全然身近じゃなくて後回しにしちゃってるけど、海潜るようになったりしたらそういうことも考えちゃうんかなって。
荒木:信川さん海入ったことあります?
信川:海入ったことあるよ。
荒木:わたし入ったことないんですよね。笑 琵琶湖にしか入ったことない、去年初めて自然の水デビューしました。
 :めっちゃはしゃいでた、犬みたいに。笑 楽しかったね。笑

laboにショールームが復活する日が来るかも…。

最近ハマっているもの、ことはありますか?休日の過ごし方は?

 :私が最近はまっているのは家にいること。休日どうしても出かけちゃうんです。で、家でのんびりできなくて。でも家でのんびりすることも好きなんで、最近は意識して予定入れないようにしてて。そしたら家にいるのも遊ぶのも楽しくて、ちょっとミシン出してきて作ったりとか、ちょっと図書館行って本借りて家で読んだりとか。ひたすらにyoutube見たりして楽しんでます。
信川:ミシンするんですね。何作るの?
 :カバン作ったり、こないだの休みは手袋作ってみました。グローブみたいな、でもちょっと失敗したなって、多分使うことはないかな。でもなんか満足するんですよ。パンチニードルもやってます。
信川:ものを作るのが好きなんですね。

荒木:私は最近暑すぎて、あんまりちゃんとしたことではないんですけど、公園が好きで、丸一日でも居られます。お昼寝したり、音楽聴いたり、絵描いたり、パン食べたり…。
アコギ弾いてるおじさんとか、朝8時くらいからビール飲みながら将棋さしてるおじさんたちを見ながら木陰でダラダラしてるのが好きですね。
信川:なかなか渋い休日の過ごし方ですね。笑

荒木:幅広の滑り台がある公園がすぐ近くにあるんですけど、そこの滑り台の上に昼ぐらいに行くと木陰でちょうど日陰があるんです。その木陰の間に飛行機が通るんですけど、それをこうやって転がりながら見るのが最近好きです。飛行機見てるの飽きなくてほんと好きですね。
信川:なにそれ、めっちゃいい休日の過ごし方。何もしない、休みは休むっていう。

休日はそれぞれの方法でリフレッシュ


好きなデザインやプロダクトはありますか?また、好きなデザイナーさんや作家さんはいますか?

 :家具だったらスワンチェアが可愛いなって思います。全然関係なかったら、最近空想アパートメントっていう人のぬいぐるみが可愛くて気になっています。
信川:(早速調べてみて)…めちゃくちゃ可愛い!謎のぬいぐるみ。どれも何なのかがわからない。笑
 :レモンの赤ちゃんとか可愛い。

荒木:家具だったら秋岡芳夫さんの「あぐらのかける男の椅子」っていうのがあるんですけど、ちょっと座面が広くて低めの椅子で。自分がめっちゃ和風の家に住んでたからなのか分からないんですけど、こういうなんだろう、日本人の生活にあっているものが好きですね。あぐらもよくかくし。笑
家具じゃなかったら佐野美里さんっていう人、彫刻家なんですけど、その人が作るワンちゃんがめちゃかわいいんですよ。木のワンちゃん。
信川:(またすぐ調べてみて)むちゃくちゃ可愛い、何この肉肉しい犬。笑
荒木:もうそのワンちゃんがめちゃくちゃ好きですね。お盆に実家帰ったらちょうど展示やってるらしいんで行ってきます。
あとは安彦年朗さんの木のスプーンも好きです。絵の具で色つけしてるんですけどなんかメルヘンですね、どっちかっていうとそういうのが、木工が好きかもしれない。

木工作家さんが気になる荒木さん。

職人にはどうしたらなれる?これから職人を目指す方へ。

 :私は専門学校上がりで、荒木さんも大学上がりなので、そう簡単には職人になれない側なんです。多分一番なりやすい道で言えば職業訓練校。それでも大抵は即正社員採用は難しいと思います。だいたいバイトで入って経験を積んでからっていうパターンが多いと思います。
信川:大学とかで木工とか家具を作る勉強もあるわけで、そこを通って職人になるっていうのは狭き門なんですか?
 :場所を選ばなければいけるのかもしれません。さっき言ってた、椅子の脚の丸棒を磨く人、梱包だけする人ととかっていう分業制のところとかだと。それでも初めは梱包からとかだと思います。

信川:下積みが長い?
 :そうですね。わたしもgrafアルバイトで1年目は磨きと塗装ばっかりで、1年経ったくらいからだんだん図面もらえるようになって、パーツを作れるようになったり、接着できるようになったりっていう、ですね。1年間は図面ももらえない。
荒木:泉ちゃんとかはちゃんとした専門のところですが、私は普通のデザイン系の学部で、たまたま学校の中に木工房っていうのがあって。カリキュラムでなくて、だから勝手にやってたみたいな。4年間勝手に自主制作して、つきっきりで技師さんにお世話になってたって感じで。だからちゃんと一個一個細かく教わったところもあるし教わってないところもあるので、なおさら最初はコンプレックス的なものはあったいうか。

下積みを経て職人へ。

信川:これから木工職人を目指す方へ伝えたいことはありますか?
 :長いスパンで頑張って欲しいです。1ヶ月2ヶ月頑張ったけど、ずっと磨きばかりしてるやん、面白くない。だと勿体ないかもしれません。
荒木:ずっと磨いてる中で何を見つけるかとかよね。
 :ほんと、ただ磨いてるわって思って欲しくない。
荒木:結構単純な作業とか多くなるから、その中で効率よくやるにはどうしたらいいかとか。木目とか材料の種類によってペーパー(研磨)した感じが違うとか、多分いろんな材料をやってたらいろいろあると思うんで。その単純な作業に向き合って欲しいですね。
 :思いを馳せて欲しい目の前のことに。ただやっちゃだめですね。

単純作業の中の意味を見出すことが大切。

もし他の部署で働くならどこがいい?

 :これ、せーので言おう。被ってるかもしれない!…せーの!
 :kitchen!
荒木:shop!
荒木:あー、kitchenも興味ある。賄い食べられるのいいな。笑
 :私も最初shopもいいなと思ったんですよ。でもせっかく質問もらってるしよく考えてみて、まてよ、泉待てよって。改めてよく考えてみたらkitchenいいかもって思ったんですよ。私料理好きなんです。
多分laboにいてものづくりしてるのがあった上でshopいいな、お客さんと関われるし!って思ったんですけど、shopに行くと日々作るものがなくっちゃって、ストレス溜まるんじゃないかなって思ったんですよ。
それやったら私料理作るの好きやし、kitchenって自分たちで新メニューを作ったり、実験的なこともしているから、すごい創作意欲とかが掻き立てられたり、あとレジでお客さんとやりとりもできたりするから、両方ともわたしのやりたいことを叶えられてるんちゃうかなって。決して賄いが食べられるからではないです。笑

荒木:私がshopにしたのは、shopにいたからっていうのもあるんですけど、お客さんの生の声が聞こえるっていうのはやっぱりshopならではかなって思ってて。なんかHaco・Wacuの使い方で、ちっちゃいミニ盆栽とかを置くって言ってる人がいて。園芸的な感じで。あ、そういう使い方するんだって、そういうものを置くんだっていうのとか。
あと展示替えとかいっぱいあるし、その時に、さっき言ってた家具どうやって使って欲しいですかっていうのと繋がるんですけど、ここにこれ置いたらいい感じかも、とか。使い方とか。なんだろう、この家具とこの家具の組み合わせとか、そういう自選とかもできるのかなっていうのもあります。
あと、kitchenの人がよくおやつくれます。笑

 :shopいいかも。模様替え感覚でレイアウト変えられるのはすごい楽しいかもしれない、使い方の研究とかできる。悩ましいね。

shopとkitchenは隣同士。
kitchenからよくおやつがもらえる。

日々体力を使う仕事なので、癒しのリセット方法など工夫してることは?

 :これ私料理ですね。最近休みの日は家にいることが多いけど、外出しても帰ってきたらちょっと作り置きしたり。家にずっといる時は昼とか夕方とか、作りたいと思った瞬間に適当にYou Tube見ながらゆっくり作って。で、飽きたらやめて。
1日4食作ることもあれば、1食でも満足やからいいやってなるときもあったりして。でもそれでリセットされてる気がします。
信川:ずっとものを作ってるね。何もしないとかでリセットじゃなくて、作って作って。
 :何もしないのも楽しいけど、多分何もしない時間を作れない性格なのかもしれない。家におったとしても詰め込んじゃってるし。全然苦じゃなくて、料理が好き。でも料理もめっちゃだらだら作ってたりするから、ペースはね。なんかしてるみたいな感覚じゃないかもしれません。

荒木:私はもうとにかく疲れが溜まってきちゃってて。色々やってみたんですけど、お風呂にちゃんと浸かるとか、せめて週2回は浸かるとか。養命酒飲むとか。漢方の勉強してみるとか。香りの良いものを摂りなさいとか書いてると、シナモンとか柑橘系食べるとか、すごい色々やってたんですけど、最近一番いいかもって思ったのは、身体が痛いので、朝とか結構バキバキするので、癒しなのかわかんないんですけど、朝家でラジオ体操してから来てます。
信川:いいね!ラジオ体操って本気ですると結構しんどい。
荒木:ちゃんと身体全部使いますよね。出勤してから、痛いから足ちょっと伸ばすか!みたいな感じで伸ばしたりしてたんですけど、あのリズムであの音楽であの人たち見ながらやるのが一番いい。
信川:あの人たち見ながらっていうのがいい。
荒木:そう。あの人たち見ながらやってます。それが最近のリセット方法というか。仕事するぞって。それで来てます。
信川:休みの日もする?
荒木:いや、しないです。笑 休みの日は、もう公園で、飛行機見て。

疲れも独自のリセット方法でリフレッシュしているふたり

以上ふたりの家具職人のインタビューでした。
私自身はオンラインショップ運営を担当しているので、お客さまからいただいた家具の注文を、laboに発注する立場で、職人が日々丁寧な仕事をしているのも分かっているつもりでした。でも、ふたりにしっかり話を聞いてみると、常にお客さまの方を向いて仕事をし、技術の向上に真剣で、ひとつの家具が完成しお届けできるまでを更に大切にしなければと思いました。
職人の手仕事による家具。お客さまにもより愛着を持っていただけるよう、これからも丁寧にお伝えしていたいと思います。

それでは次回読み物をお楽しみに◎

この記事の投稿者

grafのオンラインショップ運営担当です。1986年生まれ、A型。美味しいご飯と美味しいお酒が大好き。いつか猫と暮らすのが夢。